福利厚生についてのQ&A

どの範囲までが福利厚生に含まれるんですか?

福利厚生の定義は非常に曖昧で、企業によって異なります


求人票を見ていると、たとえば社宅について見てみれば、とある会社は福利厚生の欄に紹介されているのに対して他の会社では福利厚生ではない部分に記載されていることがあるなど、企業ごとで違う認識があるのが分かります。

福利厚生の定義は非常に曖昧で、税法上においても福利厚生費の勘定科目に対して明確な定義がつけられているわけではありません。

強いて言えば賃金以外の間接的な給付のことを指し、最も一般的なところで言えば厚生年金保険や健康保険、労災保険、雇用保険などが福利厚生に含まれることになります。

これらを直接給料として支払うこともできますが、そうなると自らがそれぞれの保険に対して支払いを行わなければならず、手続きも煩雑で仕事に集中できなくなってしまう可能性があるため、企業側がまとめて手続き等を行っているのです。

給料だけでなく福利厚生にも注目しましょう

給料は月給でいくら、または年収でいくら、そしてボーナスは月給の何カ月分といったように求人票へ記載されていることも多く、新たに仕事を見つけていく上でまずは仕事内容とこの収入について調べることがほとんどだと思われます。

ですが、それ以外にも福利厚生は生活の質にもかなり大きな影響を与えるところになるため、できれば給料以外にもしっかりと調査をしていく必要があります。

企業によっては福利厚生の充実度が高い代わりに給料の方は少なめに設定されていることもありますし、その逆に給料自体は高いけれども福利厚生が充実していないということもあります。

社宅は完備されている方が良いのかどうか、交通費は支給されるのかどうか、社員の慰安旅行はあるかどうか、残業代はきっちり計算された上で支払われるのかどうかなどなど、福利厚生の範囲は企業によって異なり、企業ごとの特色が現れる部分でもあるため、これを企業選びの理由に挙げるのも悪くありません。

福利厚生の種類はさまざまです


福利厚生の範囲は曖昧としており、提供する企業側の認識によっても異なりますが、ある程度は定式化されていますので、具体的にどのようなものが含まれるのかについて、具体例を紹介していきます。

まずは住宅関連の福利厚生について、こちらには住宅手当や社宅、独身寮などが挙げられます。

医療関連については健康診断やメンタルヘルスケアが、育児介護関連については産休育休や託児施設、介護休暇や看護休暇などがあります。

レクリエーション関連についてならば、運動施設や保養所といった余暇施設、レクリエーション活動の支援などがあり、能力開発関連では資格取得に対する給付金やリフレッシュ休暇などがあります。

この他にも社員食堂や食事に対する手当などもよくある福利厚生ですね。

傾向としては企業の規模が大きくなるにつれて福利厚生も充実度を増すという傾向があります。

しかし中小企業の福利厚生は必ずしも乏しいというわけではなく、中にはとてもユニークな休暇制度があったりボーナス制度があったりと、面白い制度が整えられている企業もあります。

人へと還元される福利厚生が増えてきています

以前は施設を会社で所有し、その施設を社員に対して提供することが多かったのですが、近年ではこのような福利厚生から個人に対して提供されるものが多くなってきているという傾向があります。

例えば以前ならば社宅や保養所、社員食堂といった設備に投資がされ、社員がそこを自由に出入りできるようにするのが一般的でしたが、近年では資格を取得した際には給付金が支給されたり、健康のための制度や育児、介護に際して支援する制度が整えられていたりと、利用する個人に対してサポートをしていく福利厚生が増えてきているというわけですね。

いずれにせよ、福利厚生の内容は長い社会人人生において給料と同程度に重要なものであり、働く会社を選ぶ上で確認しておくべき事柄と言えます。

女性の場合には特に結婚、出産および育児も生活に関わることになるため、育休や産休、その他にも育児のための諸制度が整えられ、企業側からもサポートを受けられればこれほど心強いことはありません。

また男性側からしても寮が完備されているかどうか、保険制度が整えられているかどうか、残業をした際にはしっかりと給料が支払われるかどうかなどによって生活の質は著しく変化することになりますし、また老後の生活を考慮しても大きな差が発生することになりますので、福利厚生についてはしっかりと考えて企業選びを進めていきたいところですね。

(まとめ)どの範囲までが福利厚生に含まれるんですか?

1.福利厚生の定義は非常に曖昧で、企業によって異なります

福利厚生を厳格に定義することは難しく、税法上の定義についても曖昧なものになっています。

全社員に共通して給付される点、また間接的な給付である点などが福利厚生の大きな特徴となります。

2.給料だけでなく福利厚生にも注目しましょう

自分の希望に合った求人票を探すにあたり、まず仕事内容と給料に目がいってしまうものですが、それ以外にも福利厚生は生活の質にも影響を与えることになりますので必ずチェックしていきましょう。

3.福利厚生の種類はさまざまです

福利厚生の範囲は曖昧なものとなりますが、企業によって特徴が出る部分となりますので、求人を選ぶ上ではかなり参考になります。

保険関連以外にも多彩な福利厚生が存在しています。

4.人へと還元される福利厚生が増えてきています

福利厚生の内容は、個人への還元という形で行われることが多くなってきました。

人生を左右するようなライフイベントに際して、生活の質にも大きな影響を与えることになるのは間違いありません。