福利厚生についてのQ&A

最低限の福利厚生にはどんなものがあるの?

法定福利厚生は会社の最低限の義務です

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従業員として事業主に雇われて働くのであれば、社会保険への加入が行われます。

これは、どんな会社であっても加入が義務付けられているものです。

社会保険は法定福利であり、これはどの会社であっても従業員を加入させる義務があります。

したがって、社会保険は最低限必要な福利厚生ということが言えます。

法定福利である社会保険には、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金があります。

これは、正社員ならばもちろんですが、パートやアルバイトで働く場合であっても、労働時間などの勤務条件によっては、やはり加入しなければならないものです。

社会保険は、週40時間のフルタイム勤務であれば加入しなければなりません。

保険未加入は違法であり、そのようなブラック企業の存在も問題になっています。

社会保険の加入条件って?

最低限の福利厚生であるといえる、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金ですが、それぞれに加入の条件があります。

まず、労災保険は、正社員や契約社員、アルバイト、パートなどの全ての雇用形態に適用されるもので全労働者が加入しなければなりません。

雇用保険も、全ての労働者が加入の対象になります。

加入の条件としては、
「1週間の所定労働時間が20時間以上」「31日間以上の継続した雇用が見込まれること」「65歳に達した日より後に新たに雇用された人でないこと」というものがあります。

社会保険と厚生年金保険の場合も、雇用形態に関わらず、条件を満たす全員が加入の対象となります。

「所定労働日数ならびに所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上であること」というものと、臨時的な雇用ではないこと、というものがあります。

臨時的な雇用というのは、「日雇いの人」「臨時に使用され、その期間が2ヶ月以内と定められている人」「季節的な業務に使用される人」「臨時的な事業の事業所で使用される人」ということになります。

健康保険と厚生年金保険の加入条件は同じなので、原則的にどちらか一方だけの加入ということはありません。

パートにも社会保険はある

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パートタイム従業員やアルバイトなどは社会保険とは無関係と思われがちですが、そんなことはありません。

短時間就業者でも条件を満たせば加入義務が生じます。

労働時間

1日あるいは1週間の所定労働時間が勤務する事業所における他の似た業務をする一般従業員のおおむね4分の3以上であること。

労働日数

1ヶ月あたりの所定労働日数が勤務する事業所における他の似た業務をする一般従業員のおおむね4分の3であること。

ここでの一般的な従業員とは、正規の従業員や正社員などです。

実際的には、1日に8時間、月に20日の労働日の企業であれば、6時間で15日の勤務となり、この場合は社会保険に加入するのが一般的です。

非正規雇用者は福利厚生の面で不遇であり最低限の保障を受けるのも困難なイメージがありましたが、今後は状況に変化がありそうです。

つまり、労働日数や労働時間が4分の3であっても、被保険者になれる条件の範囲が拡大するのです。

その条件とは「1週間の所定労働時間が20時間以上」「1ヶ月の賃金が88,000円以上」「勤務期間が1年以上と見込まれること「学生ではないこと」というものです。

現時点では500人以上の企業を対象としていますが今後、それ以下の中小企業も対象になる可能性はあります。

転職活動中に思うような企業が見つからずにとりあえずアルバイトをする場合でもこのような知識を持って決めるのが有効でしょう。

保険未加入の企業には要注意

一概に保険未加入イコールブラック企業と断定はできませんが、その可能性はあると考えたほうがよいでしょう。

社会保険未加入であれば国民年金や健康保険は自腹で支払わなければなりません。

また、社会保険未加入であれば失業後の失業手当はもらうことはできません。

そういったリスクを考えれば、いくら魅力のある企業であっても転職や就職を考えるのはおすすめできません。

週当たりの労働時間が40時間以上であれば社会保険加入は義務となります。

万が一それでも加入しない企業ならば、個人商店などであれば強制ではないのでこの限りではありませんが、いわゆるブラック企業であるといえます。

現実的には、ある調査結果によれば、全事業所の6分の1が健康保険に未加入であるという事実があります。

転職活動の際には、こういった最低限の福利厚生があるかどうかは必ず確認しましょう。

ある会社がブラックであるか否かを確認するのは簡単ではありません。

労働保険に加入していない会社はブラック企業であると言えますが、労働保険への加入状況は自分で調べることが可能です。

労働保険にも未加入という会社は5~10%の割合で存在すると言われます。

気になる会社があれば、直接コンタクトをする前に調べてみるのもよいでしょう。

最低限の福利厚生は労働者の権利です。

会社選びの際には必ずチェックしてください。

(まとめ)最低限の福利厚生にはどんなものがあるの?

1.法定福利厚生は会社の最低限の義務です

会社で働く場合、最低限用意されなければならない福利厚生は法定福利であり、社会保険の加入が義務付けられています。

これは正社員に限らず、労働条件によってはパートやアルバイトでも加入しなければならないものです。

2.社会保険の加入条件って?

福利厚生の法定福利である社会保険には主に、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険があります。

これらの保険にはそれぞれ加入条件があるので、それを満たした労働者は加入することになります。

3.パートにも社会保険はある

一般的に福利厚生に乏しいと思われがちなアルバイトやパートですが、一定の条件を満たせば社会保険に加入はできます。

また、今後、非正規雇用者であっても被保険者になれるその適用範囲が広がります。

これはバイト探しの際にも知っておきたい知識です。

4.保険未加入の企業には要注意

法律によって加入が義務付けられている社会保険に未加入の会社も中には存在します。

労働保険への加入は確認することも可能なので、事前にしっかりチェックして、いわゆるブラック企業に転職することのないように注意しましょう。