大手の派遣会社なら一通りの福利厚生が用意されています
派遣社員の福利厚生は雇用主である、派遣会社が行います。
派遣社員というと、福利厚生が心配、と考える方は少なくありません。
しかし、平成16年の改正派遣法に「派遣労働者の福利厚生等に係る均衡配慮」という項目が新たに加えられたことによって、正社員と派遣社員の間の差が埋められる試みが行われたのです。
派遣社員の割合が増えている現在、派遣社員への福利厚生は充実し、大手の派遣会社であれば一通りの福利厚生が用意されています。
派遣社員として派遣会社から派遣されて働く場合、一定の条件を満たせば社会保険にも加入義務があります。
派遣会社によって福利厚生の内容が異なるので、複数の会社で迷った時にはしっかりとチェックしてください。
派遣社員の特徴
そもそも派遣社員とはどういった社員なのでしょうか?
派遣で働くということは、派遣会社と雇用契約を結ぶということを意味します。
実際の仕事は、登録した派遣会社と契約を交わしている派遣先で行います。
雇用主は派遣会社になるので、給料の支払いや福利厚生などは全て派遣会社が行います。
毎日の業務の具体的な指示などは派遣先企業において直接指導を受けます。
派遣社員として働くのに向いているのは、自分のやりたい仕事に専念したいと考える人でしょう。
たとえば、自分は英語が得意で仕事で活かしていきたいと思えば、派遣会社に登録して、英語を使う派遣先を紹介してもらえればいいわけです。
正社員として入社して、英語を使いたいと就職試験時にアピールしたからといって、そのような部署に配属される保証はありません。
また、同じ派遣先で3年以上勤務することは2015年の派遣法改正によりできなくなったことや、期間限定求人なども多いため、はじめから期間を定めて働きたいという人にも適した就業形態でしょう。
派遣社員は社会保険に入れる?
派遣社員というと不安定というイメージが多少あり、福利厚生がなく社会保険にも入れないという誤解を持っている人は少なくないようです。
しかし、派遣社員であっても、加入条件を満たせば社会保険に加入ができます。
というよりも、加入は法律により義務化されています。
社会保険には、派遣社員のみならず、パート・アルバイトも含めて法人の事業所に勤務する人は全員、加入することが義務付けられています。
ただ、単発の仕事などの臨時の労働者や、他の通常の従業員よりも労働時間が短い労働者、2か月以内という期間限定の労働者の場合はこの法律の適用外となり、社会保険への加入は強制されません。
法定福利である社会保険はつまり、どこの派遣会社であっても加入条件は一緒なのです。
社会保険には健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労働者災害補償保険があります。
例えば、上記のうちはじめの3つの保険の場合、通常の労働者(正社員)のおおむね3/4以上の労働時間、そして2か月を超える(あるいはそれと見込まれる)労働期間、そして70歳未満などの年齢条件を満たしたときに、加入が義務付けられます。
雇用保険は1週間の所定労働時間が20時間以上で雇用契約期間が20日以上、65歳未満で適用されます。
こんなにある 派遣会社の福利厚生
社会保険などの法定福利はどこの派遣会社でも同じ条件での加入が義務付けられますが、法定外福利については派遣会社によってその内容や充実度は異なります。
一般に、大手の派遣会社であれば福利厚生制度が充実しています。
そのため、派遣会社選びの際には必ずその会社の福利厚生制度を確認しましょう。
無料の健康診断やさまざまな優待特典を用意しているところが少なくありません。
OA講座や語学講座、ビジネスマナー講座や資格取得支援など職種別の研修制度が充実、スキルに不安がある人やさらにスキルアップを目指す人にはうれしいものもあります。
また、フィットネスクラブ割引やレジャー施設の割引優待など、休暇に活用できる福利厚生サービスもあります。
派遣会社選びは、応募する求人内容に気を取られてこういった福利厚生の内容をきちんと比較検討しない方もいるかもしれません。
もちろん、大手の派遣会社のほうが優秀な人材をそろえているため、職を得る競争は激しくなる傾向があるなどのデメリットも全くないとは言えません。
でも長期間働くことを考えるのならなおさら、こういった福利厚生制度は大切です。
派遣社員であっても福利厚生制度は積極的に活用しましょう。
(まとめ)派遣社員の福利厚生はどうなっているの?
派遣社員の福利厚生を行うのは、雇用主である派遣会社です。
一定の条件を満たせば社会保険への加入義務があります。
近年の派遣社員の増加に伴い、派遣会社の福利厚生の内容も充実してきています。
派遣社員というのは、派遣会社に登録して派遣会社を雇用主として、その派遣会社と契約を結んだ派遣先企業で働くという就業形態になります。
給与支払いや福利厚生は雇用主である派遣会社が行います。
派遣社員であっても、一定の労働条件を満たせば社会保険への加入が法律により義務付けられています。
つまりどの派遣会社であっても社会保険へ加入する条件は同じなのです。
法定外福利の内容は派遣会社によって異なり、一般に、大手の派遣会社のほうが、サービス内容が豊富です。
無料健康診断や職種別のスキルアップ講座、レジャー施設の割引優待制度もあります。
派遣会社で迷ったら福利厚生制度を確認するのがおすすめです。