福利厚生と労働基準法は大いに関係があります
一般的に正社員と言えば、まずは各種社会保険が完備されているか否かによってパートやアルバイトといった非正規雇用との区別がなされることになりますが、福利厚生の中でもこの社会保険は少し特別な存在で、様々な法律によって加入することが義務付けられているという特徴があります。
社会保険には健康保険や労災保険、雇用保険、厚生年金保険、国民健康保険が用意されており、労働基準法やその他様々な法律によって、企業は雇った正社員をこれらの保険に加入しなければならないと定められています。
関わってくる法律としては労働基準法以外にも健康保険法や厚生年金保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律などがあり、労働基準法だけでなく多くの法律によって明確に規定されていることが分かると思います。
これだけでも労働基準法は福利厚生と大いに関係があることが分かりますが、社会保険関係だけでなく寄宿舎に関する福利厚生についても同法による規定が設けられているなど、労働基準法は福利厚生と関連性の高い法律となっているのです。
社会保険はもしもの時のために最低限必要なものです
福利厚生の中には、もしも無くてもそれほど私生活には影響の出ないようなものもありますが、各種社会保険は正社員として働く上で最低限必要なサービスと言えます。
たとえ今が健康であったとしても、明日病気を発症しないとは言い切れませんし、事故に遭う可能性が無いとも、明日会社が倒産する可能性だってゼロというわけではないわけですから、そういったリスクに対して策をこうじておくのは真っ当です。
勿論可能性は低いから考慮するに値しないと言われるとそれまでのお話となってしまいますが、家族のためを考えればある程度リスクヘッジをしておくのも社会人として当然のありかたなのではないでしょうか。
社会保険はいわばこのリスクを回避もしくは軽減させるために必要な最低限の策と言え、そのため労働基準法をはじめとする様々な法律によって加入が義務付けられているのです。
社会保険以外にも福利厚生はあります
社会保険以外の福利厚生としてまず思い当たるのは住宅手当や独身寮、社宅といった住宅関連の福利厚生です。
統計調査によれば福利厚生費の内、住宅関連に割かれる費用金額の平均は1カ月あたりおよそ2万5千円であり、社会保険を除けばこの項目が最も多くなっています。
大企業になれば住宅関連の福利厚生制度も充実してきて、場合によっては家賃の75%が支払われることもありますし、また一戸建て住宅の建設を考えている人には資金の融資をしてくれることもあるなど、住宅関連の福利厚生はサービスの質も悪く無く、正社員として働く大きなメリットと言えます。
住宅関連の福利厚生の内にも労働基準法による規定があり、寄宿舎を運営する場合には法律に則った運営方法が求められることになります。
休暇は取得率が大切です
福利厚生の中には様々なタイプの休暇も含まれることになり、有給休暇や産前産後休暇、育児休暇、介護看護休暇といった休暇は正社員として働く人の権利となっていますが、しかしながら現実にはこれらの休暇をなかなか取得させてもらえないという事態が発生しています。
いわゆるブラック企業では過酷な労働環境に加えて正社員や従業員達の休暇が認められず、定休日以外にも働かされていることもあるとして社会的な問題になっています。
またブラック企業に限らず一般的な企業であったとしても有給休暇を取得しづらい雰囲気が出来上がってしまっている企業も多く、結局休暇を取得できずに放置されてしまうケースが問題となっています。
この問題を解消するために、現在有給休暇の取得、消化に関して労働基準法にて必ず5日以上は消化させなければならないという法律改正を目指した動きがあり、審議が続いています。
(まとめ)福利厚生と労働基準法は関係があるのですか?
労働基準法では社会保険料に関する規定が設けられているだけでなく、寄宿舎における規定が設けられているなど、福利厚生にも大いに関係している法律であると言えるでしょう。
社会保険はもしもの時のことを考えた際に必要となる最低限のリスクヘッジ、リスクマネージメントであり、そのため法律によって加入が義務付けられていると言えるでしょう。
労働基準法は社会保険以外の福利厚生にも関係性があり、企業が運営する寄宿舎は同法によって運営の仕方が規定されています。
住宅関連の福利厚生は生活の質にも直結しますので、福利厚生の中でも大きなメリットを持つものと言えます。
定休日以外の休暇は取得率の低さが問題視されており、この問題を解消するために法律の改正の審議がなされている状態です。
今後、この法律改正が行われれば有給の消化率も上昇することが予想されます。