法定福利と法定外福利の費用で月平均10万円以上会社が負担しています
正社員であることのメリットとしては、福利厚生が手厚いということが第一に挙げられます。
正社員であれば、企業は福利厚生費として月に平均で10万円以上を支払っているというデータがあります。
このうち8万円近くが健康保険や厚生年金保険などの社会保険の会社負担分です。
加えて、社員寮や社宅などの家賃補助や健康診断などの医療・健康関連、そして保険や生活用品などの割引販売など、会社によって異なる法定外福利となります。
福利厚生の内容は、勤続年数が多くなるほど、年収に大きな影響を与える要因となります。
転職の際には年収にまず目が行きがちですが、福利厚生を金額に換算すれば実質年収では福利厚生が手厚い企業に勤める方が最終的に得になるケースも少なくありません。
そもそも正社員って?
「正社員」や「正職員」という言葉は実は比較的新しい言葉なのです。
近年に雇用形態が多様化していることが、正社員という言葉が生まれた背景にあります。
パートやアルバイト、契約社員などの「非正社員」「非正職員」と区別する言葉としても用いられます。
正社員の特徴には以下のものがあります。
雇用期間に定めはなく原則定年まで雇用されます。
勤続年数によって賃金があがるケースがほとんどです。
年齢が上がるに従いそれに応じた役職になることが多いです。
非正社員よりも労働組合への加入率は上がります。
会社側から長期間継続して勤務することを望まれます。
正社員は、定年まで一つの企業で働くことによって企業側と労働者側にさまざまなメリットを生みます。
ただ、バブル崩壊や不況の波により正社員であってもこのような雇用関係は脅かされています。
人件費削減を企業は迫られ、正社員のリストラも絶対にないとは言えない時代となっています。
また、正社員であっても非正社員と大差のない福利厚生などの待遇を受けるというケースもあります。
正社員のメリットって?
転職を希望する人のほとんどは、正社員としての雇用を希望するのではないでしょうか?
それはやはり、正社員は非正社員よりも多くの面で優遇されているからです。
ここで、正社員として働くことのメリットをあげてみましょう。
何と言っても金銭面で有利です。
毎月の給与に、定期昇給や賞与受給があります。
また、退職金が出ることがほとんどです。
住宅補助や介護・子育て支援などの福利厚生も手厚いです。
昇給により20代のころはそれほど賃金格差がなくても年齢が上がるにしたがって正社員の賃金は上がっていきます。
福利厚生である社会保険の充実は大きなメリットです。
正社員は厚生年金保険に加入できるため、保険料の支払いは会社と半々でありながら、老後に受け取る年金の額は大きくなります。
雇用保険もあるので失業時の失業手当も非正社員よりも充実します。
また、労働基準法によって解雇は簡単にはされないのである程度の身分が保障されているのもメリットです。
住宅ローンを組む際には正社員が有利なようです。
特に男性であれば正社員のほうが信頼度が高くイメージも良いです。
クレジットカード契約やこどもの入学試験の面接の際にも有利となるでしょう。
こんなに差が出る 福利厚生の有無
正社員と非正社員という雇用形態の違いは、一生でもらえるお金に大きな差を生み出します。
年収に関しては30代以降に正社員と非正社員との間の差が急激に増えます。
非正社員の収入の伸びがにぶくなるのに反して正社員には加齢による昇給制度があります。
勤続年数が多くなるほど生涯賃金の差は大きくなり、非正社員の約3倍の賃金を正社員はもらえるというデータもあります。
そして、給料以外で格差を大きくしている要因が、他でもない福利厚生です。
会社が月平均で約10万円を正社員に払っているという事実はあまり知られていません。
特に健康保険や厚生年金保険などの社会保険の会社負担分は約8万円にものぼります。
法定外福利でも月平均2万5千円になるということです。
この差が勤続年数が増えるほど明白になっていくのです。
法定福利は現金で直接もらうわけではありません。
そのため実感しづらいのですが厚生年金ひとつでも非正社員の場合は一定条件を満たさなければ加入できません。
また法定外福利は一部の非正社員を除けば原則正社員しかもらうことができません。
退職金もあり、老後に受給する年金額も大きく変わるため、正社員は非正社員よりも優遇されているといえるでしょう。
したがって、転職で正社員になるチャンスがあるなら、個人のライフプランにもよりますが、これを逃がすのはもったいないかもしれません。
(まとめ)正社員の福利厚生はどうなっているの?
正社員に対して、企業は月に平均で10万円以上を支払っているというデータがあります。
そのうちの大部分は健康保険などの社会保険料に充てられます。
年収よりも福利厚生が手厚い会社のほうが最終的に得をするケースは少なくありません。
正社員という言葉は実は比較的最近使われるようになったものです。
正社員の特徴には終身雇用や、勤続年数による昇給や昇格、労働組合への加入率などの高さがあります。
ただ近年の不況により正社員の立場も脅かされるようになってきました。
正社員は多くの面で非正社員よりも優遇されています。
給料や退職金など、金銭面や社会保険の点では多くのメリットがあり、また、正社員という肩書は社会的信頼も得やすいでしょう。
正社員であることのメリットはもらえる給与額が非正社員よりも多いということがありますが、給与以外での格差を大きくしている要因は福利厚生です。
現金ではないため実感しづらい福利厚生ですが、老後にまで福利厚生の内容は影響します。