福利厚生についてのQ&A

福利厚生費用の使い方に変化が出ている?

社会保険増額によって法定外福利の費用が削減されている傾向にあります。

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社会保険料の増額によって企業への負担が増えている今、企業によって任意で行われる従業員向けの福利厚生である法定外福利の費用は削減される傾向にあるといわれています。

昔のように、社員寮や保養所などのハコもの一辺倒の時代からは確実に変化しています。

予算が限定されている、その状況が、企業による福利厚生費の使い方をより多様化させたともいえそうです。

限られた予算内で、仕事とプライベートのバランスの実現や育児・介護への支援などの目的を果たそうとするものも多いです。

他社との差別化をはかり、会社独自の福利厚生の役割を模索する会社も増えており、転職の際のチェックポイントにもなりそうです。

人にフォーカスした福利厚生へ

高度成長期の時代の大企業の福利厚生の使い方といえば、社宅や独身寮、保養所やスポーツ施設などのハコものによるものが主流でした。

今でも、会社の福利厚生というとそういったイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし、バブル崩壊によってその内容には変化が生じ、今ではその企業で働く「人」によりそう内容に変化を見せています。

また、中小企業にも福利厚生制度が広がってきていて、それにともない福利厚生の使い方も多種多様なものが見られるようになりました。

主には、従業員の生活や資産形成のサポートを行うもの、また、たとえば公的資格や自己啓発(通信教育)支援などの、個人的なキャリアの支援を目的としたものが中心となっているようです。

メンタルヘルスケアやさまざまなリフレッシュ休暇など、従業員の心と体のケアに配慮した使い方も珍しくなくなってきました。

かつてのように莫大な予算をかけなくても従業員を満足せる福利厚生の使い方があるということがわかります。

なぜ減っている法定外福利

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時代の変化によって福利厚生費の使い方が変化していることがわかりました。

そしてその背景には企業における法定外福利費が削減傾向にあるという要因が存在します。

法定外福利というのは企業が任意で行っている従業員のための福祉施策の費用です。

ではなぜ会社が任意で行う法定外福利の費用が少なくなっているのでしょうか?

福利厚生費の変化には、社会保険料の増加が大きくかかわっています。

そもそも福利厚生費には「法定福利費」と「法定外福利費」があり、法定福利費は社会保険料などでの企業が負担する分を指します。

ある調査によれば、企業負担の福利厚生費は社員1人あたりでは、ここ1年で1.9%増で過去最高額を記録しています。

つまり会社への社会保険料の負担が急激に増えているぶん、法定外福利費が削減される傾向にあるということで、5年連続で減少しているというデータがあります。

ただ、法定外福利費の内訳にも変化が見られ、ライフサポート費用における介護費用、次いで育児関連は大幅にアップしています。

法定外福利の予算と使い方はその時代を反映しているともいえそうです。

こんなにある 福利厚生の使い道

福利厚生は会社を選ぶときにははずせないポイントです。

会社の独自のカラーが顕著になる法定外福利は、その会社の考え方や特徴を知る指標となりそうです。

最近の福利厚生制度は、従業員のリアルな声を反映するような、そしてそれぞれの生活に配慮をした内容が増えているようです。

また、その制度のネーミングにも工夫が凝らされ、会社の特徴にもなることで、社外への広報活動や人材の募集というような場面にも活用されています。

最近の福利厚生の使い方の例を挙げてみましょう。

社内のコミュニケーション

社員が自由に調理できる社内キッチン、毎月役員を指名して一緒にランチをする役員ランチ、部署の垣根を越えたコミュニケーションのためのランダムランチ制度、会社から1,5km圏内居住の社員に毎月3万円を支給する近距離奨励金

家族、介護・育児

大切な人を驚かせるためのサプライズ休暇、家族の誕生日には定時に帰宅できるハッピーバースデイ制度、子供が急病のときに在宅勤務ができるキッズ在宅、介護支援制度

自己研鑽

年に1度の4日以上連続休暇の取得で5万円の手当が支給されるアニバーサリー休暇、セミナー参加や研究などのためのライズ休暇、平日のバーゲンセールに行くためのオシャレ半日休暇

こられはあくまで一例です。

会社により大きく異なるので、ぜひ参考にしてみてください。

(まとめ)福利厚生費用の使い方って?

1.企業により福利厚生費の使い方はさまざまです

企業における福利厚生費が削減傾向にある中で、独自の福利厚生を生み出そうという試みが多くの企業で見られます。

かつての福利厚生とは異なり会社独自のものも増えているので転職の際のチェックポイントにもなります。

2.人にフォーカスした福利厚生へ

バブル崩壊後は、高度成長期の大企業における福利厚生に見られたような施設や寮などのハコもの重視の施策から、働く人重視の施策へとシフトチェンジが行われました。

現在では中小企業でも、多種多様な福利厚生の使い道が見られます。

3.なぜ減っている法定外福利

企業における法定外福利費が減っている大きな理由は、社会保険料の増加があげられます。

ここ数年で増加傾向にあり、それに伴って法定外福利の費用は抑制傾向になっているのです。

4.こんなにある 福利厚生の使い道

法定外福利の内容は企業によりさまざまで、社内コミュニケーションや自己研鑽にかかわるものなど多岐にわたります。その会社のカラーや考え方が反映されたものでもあるので、転職の際にはぜひチェックしたいポイントです。